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【解説】患者さんはどんな症状?②

みなさん、どうでしたか?

今回はそんなに難しくなかったですよね~catface

それでは、解説いたしますhappy01

【解説】

 答えは『慢性鼻炎および副鼻腔炎の治療』ですconfident

 この処方は、耳鼻科にの門前薬局で受けた内容でした。

乳幼児は基本的に鼻汁などの症状が出始めたとき、まず鼻をかむということがきちんと出来ません。これは、親の子供への教育が出来なくなってきたことが一つの原因とともに、昔の日本の子供のようには鼻垂れ小僧が全くいなくなったことにも、ある程度要因があるのかもしれません。最近の子供は鼻汁はかむのではなく鼻をすすって外に出さない傾向にありますから。。。

中耳炎の基本的な発症機構を考えると、鼻をすすることは非常に良くないことです。

急性中耳炎の主要起炎菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスです。2歳以下の乳幼児の場合は免疫学的に未熟性で、しかも薬剤耐性菌の検出率が高いため、低免疫能による反復性中耳炎の病態と薬剤耐性菌による遷延性中耳炎の病態の2つが重なり難治性となることが多いといわれています。

現在、乳幼児における中耳炎の起こす要因として次の2つが考えられています。

  ①慢性鼻炎や副鼻腔炎により、鼻汁が鼻腔内に停留し、それを改善する

   ために鼻をすすることによる耳管細菌感染

  ②耳管閉塞不全による耳閉感、自声強聴などの症状を改善するために

   鼻すすりにより鼻咽腔に陰圧をかけ、耳管を閉鎖して症状を緩和する

   動作による耳管細菌感染

そこで、今回の問題に戻りますが、中耳炎にかかった後、鼻腔内の細菌検査でまだ種々の菌が発見され、副鼻腔炎をわずかながら併発していたのもありニューマクロライドの処方となったわけです。抗生物質に関しては、耐性の問題もありますが、その場合ペニシリン系とセフェム系を織り交ぜながら処方されることが考えられます。

しかしながら、このニューマクロライドには通常の抗菌性作用を期待するのではなく、この薬剤の持つ、副鼻腔炎の「消炎的薬理作用」を利用しています。抗生剤ですが、それ以外の薬理作用を持つと言われているのがこの一群の特徴となります。通常、抗生剤の効果とは、一定以上の血中濃度に上がってからでないと発現しませが、ここで利用する「薬理作用」は、そこまで上がらなくても発現すると言われており、臨床現場でも実際に効果が現れています。

慢性副鼻腔炎という病態は、「細菌が付いて炎症が起こっている」という急性炎症とは少々異なっていて、急性炎症などをきっかけにして粘膜自体が「病的状態」に陥ってしまった病態なのです。すなわち粘膜の持つ諸々の生理機能が狂ってしまい、たとえ除菌されたとしても粘膜生理機能が異常のままであるため症状が長く続くのです。

従って、これらニューマクロライドの抗生物質を使用することは、投与数日での抗菌効果ではなく、数週間~数ヶ月という中長期的経過によって粘膜自体の消炎効果というものを促す治療であることを理解してください。

医師によってはいろいろな考え方があるため、基本的な治療指針に関してはこれらのような治療を行わないケースもあります。患者さんへの投薬の場合医師の治療目的を良く理解した上で服薬指導することも大切です。

しかし、明らかに改善が認められない場合は患者さんとよく話し、「薬剤師」として患者のために助言するのも必要かと思います。

尚、今回の解答に関してご意見等ございましたらコメントにてお願いいたしますwink

では、また次回もLet's try!

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