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2008年11月

【解説】どのように調剤しますか?①

さて、みなさんどうでしたか?

実は、今回の処方は処方医への疑義照会をしなければいけないところが2箇所あります。従ってそれを紹介して、正しい処方内容にしてから調剤報酬点数を計算を行います。2箇所はどこかわかりましたか?では、解説いたします。happy01

  【解説】

    今回の処方せんでは、記載内容において2箇所処方医に確認する所

   店舗あります。処方医への確認する内容2箇所は次の箇所です。

    <確認1>

      胃瘻患者ということで、処方せんに粉砕の指示がないため調剤方

     法の確認が必要となります。

      基本的に、胃瘻患者は自己で服用することは不可能な場合がほ

     とんどであるため粉砕して調剤することはいうまでもないと思います。

     あとは、その分包方法のみに関してで、通常服用時点ごとに、混合

     に伴う配合変化が認められない限り粉砕混合します。

    <確認2>

      胃瘻患者の経鼻チューブの挿入到達点を、医師に確認することも

     今回の処方内容では重要になります。

      確認する目的として、処方中のオメプラール錠の安定性にありま

     す。オメプラールを初めとするプロトンポンプ阻害薬は酸に非常に不

     安定なため、どの製剤においても腸溶コーティングを施されていま

     す。従って、経鼻チューブが腸まで到達しているか否かで粉砕に関し

     て処方内容変更を確認する必要が出てきます。

      経鼻チューブが腸まで到達している場合であれば、オメプラール

     錠を粉砕して投与することは可能であると言えます。しかし、オメプ

     ラル錠は吸湿性が非常に高いため、粉砕時には熱や湿度等に

     細心の注意を払った粉砕手法が必要となり、あまり良い投与方法と

     は言えないと考えられます。しかしながら、医療の現場ではオメプ

     ラル錠を粉砕して投与している事例は結構あるようです。

      また、ラベプラゾールに関しては、オメプラゾールよりも吸湿性が更

     に高いため、固化してしまい不適とされています。

      ランソプラゾールもオメプラゾールと同様の性質を持っていますが、

     吸湿性に関しては一番影響が少ないものといわれています。また、

     剤型もカプセル剤とOD錠といった他の2種とは違い、チューブの径に

     よってはカプセル剤を脱カプセルし、内容物の顆粒剤をそのまま経

     鼻チューブサイズ16フレンチをもちいて、水でゆっくり注入すること

     が能です。また、報告はありませんが、OD錠を少量の水で崩壊

     させ(OD錠は7層からなる0.3mmの腸溶顆粒を打錠したもの)、

     水をいて注入することも出来るかと思います。

      従って、今回は一番無難で確実に投与できる方法であるランソプ

     ラゾールカプセルの脱カプセルが一番最良な方法と考えられます。

  よって、疑義照会後の処方は以下の通りとなります。

   処方

       バイアスピリン錠100mg     1錠

       ミカルディス錠40mg        1錠

       アルダクトンA細粒         0.2g

       レニベース錠5mg         1錠

       アマリール錠1mg       0.5錠

       メバロチン細粒1%       0.5g

       粉砕  1日1回  朝食後   30日分

       ワソラン錠40mg          3錠

       セロケン錠20mg          3錠

       粉砕  1日3回  毎食後   30日分

       タケプロンカプセル15mg    1カプセル

       脱カプセル別包  

            1日1回  夕食後    30日分

       アモバン錠7.5mg         1錠

       ワーファリン錠1mg         1錠

       リスパダール錠2mg        1錠

       粉砕 1日1回  就寝前    30日分

       尚、粉砕は服用時点ごとに混合一包化

                            以上

  では、この処方内容に従って、調剤報酬を計算すると次のようになります。

      調剤基本料                          40点

      後発医薬品調剤体制加算                  4点

      後期高齢者薬剤服用歴管理指導料            35

      嚥下困難者用製剤加算                   80点

      内服調剤料 3剤 30日分      77点×3   =231点

      後発医薬品調剤加算   1剤    2点×1    = 2点

      薬剤料    内服1  30日分   34点×30 =1020点

               内服2  30日分    7点×30 = 210点

               内服3  30日分   11点×30 = 330点

               内服4  35日分   11点×30 = 330点

      合計点数                       = 2,282点

      患者負担金額(負担割合10%)         ¥2,280 円

    となります。

    今回の処方せんでの調剤報酬点数を計算する上では、処方せんの内

   容を再度きちんと確認する必要があることです。特に、今回は胃瘻患者

   における調剤の対応を、どのように行うかによって加算が変わってきま

   す。調剤したとおりの算定が基本であるため、今回は嚥下困難者製剤

   加算を算定した結果、一包化薬は算定できず、一包化薬を算定した場

   合より低くなってしまい手間がかかった割には技術料は低い結果となっ

   てしまいます。この辺は今後見直して欲しい部分ではないかと私個人

   的には思います。

    尚、経管チューブが腸まで達していて、オメプラゾールの粉砕での投

   与をドクターに指示された場合は、調剤報酬額は今回は全く同じ結果に

   なます。

    

以上が、解説となりますが、この内容に関して『異議あり!』『こういう考え方は?』などありましたら、コメントを頂けたらと思います。

では、また次回の問題もトライしてみてくださいwink          

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どのように調剤しますか?①

さて、今日は新しい問題形式です。

院外処方せんを、患者の家族の方が薬局に持ってこられました。memohappy01

処方せんの内容は以下に示す内容ですが、患者さんは81歳の老人で胃瘻の患者さんとのことです。処方せんには特に何も指示がありません。

保険は、後期高齢者の1割で、家族の方がお薬手帖を提出してくれました。

当薬局は、受付回数が月平均1000回、医療機関の応需割合は1医療機関月95%を超えています。

また、基準調剤の施設基準は取得してはいませんが、後発医薬品調剤体制加算の取得は完了しています。

尚、処方せんのドクターからの指示は何の記載もありません。

   処方

     バイアスピリン錠100mg     1錠

     ミカルディス錠40mg        1錠

     アルダクトンA細粒         0.2g

     レニベース錠5mg         1錠

     アマリール錠1mg       0.5錠

     メバロチン細粒1%       0.5g

       1日1回  朝食後     30日分

     ワソラン錠40mg          3錠

     セロケン錠20mg          3錠

       1日3回  毎食後     30日分

     オメプラール錠10mg       1錠

       1日1回  夕食後     30日分

     アモバン錠7.5mg         1錠

     ワーファリン錠1mg         1錠

     リスパダール錠2mg        1錠

      1日1回  就寝前      30日分

                       以上

さて、あなたならどのように調剤しますか?confident

尚、処方内容の変更に関しては必ず処方医に疑義照会或いは相談して行うものとし、併せて家族の意向も取り入れることを前提と致します。

処方変更が必要な場合はその内容と調剤方法を回答して下さい!

また、最終的な処方せんの調剤報酬点数と患者さんの負担額を計算して下さい。

くれぐれもレセコンで計算せず、自分の知識を確認する上でも電卓を用いて自分で計算してみましょうwobbly

医療事務の人はもちろん、薬剤師の方も調剤録の監査に役立ちますヨ!scissors

でわ Let's try!

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【解説】患者さんはどんな症状?③

先週は、突然の休信誠に申し訳ございませんでしたm(_ _)m

今月よりまた通常どおり配信致しますので、閲覧の程よろしくお願い致します。

尚、本日は前回の問題の回答・解説のみで、新たな問題に関しましては次回11月10日に配信致します。

では、前回の問題の回答・解説に入りますconfident

みなさん、どうでしたか?

今回もそんなに難しくなかったですよね~catface

それでは、回答・解説いたしますhappy01

【回答・解説】

 答えは、『新生児カルシウム血症』ですconfident

患者さんは乳児2ヶ月のこどもであることから、血液中のカルシウムの量が少なくなる新生児テタニーの治療の一つと考えることが通常だと思われます。

新生児カルシウム血症は、通常出産後48時間以内に発生する早発型低カルシウム血症と生後1週間前後に発症する晩発型低カリウム血症があります。

新生児カルシウム血症は、乳児の血清カルシウム濃度が低い状態のことで、症状としては、痙攣や不整脈、無呼吸などが見られ、泣くことにより症状が悪化する場合がある病気です。

この発症の原因としては、早産や仮死状態で生まれたり、低出生体重児や帝王切開による出産、母親が糖尿病である場合に発生率が高いと言われています。

治療法としての基本は、呼吸障害などの症状に対応しつつ、グルコン酸カルシウムの点滴や乳酸カルシウムの内服でカルシウムを補充します。

乳酸カルシウムとしての適応症は、以下の通りです。

  1)低カルシウム血症に起因する以下の症状の改善

     テタニー

  2)以下の代謝性骨軟化疾患におけるカルシウムの補給

     妊婦・産婦の骨軟化症

  3)発育期におけるカルシウム補給

また、適応外使用として、骨粗鬆症にも使用されます。

更に、適応症として使用法はないですが、収斂剤として胃腸炎や下痢の際に整腸剤の乳酸菌などと一緒に処方されることもあります。

従って、今回の回答として「胃腸炎を伴う下痢」という回答も全くゼロではありませんが、使用頻度が少ないことと、適応症にないことを踏まえて今回は回答から外させて頂きました。

尚、今回の解答に関してご意見等ございましたらコメントにてお願いいたしますwink

では、また次回もLet's try!

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