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【解説】どのように調剤しますか?①

さて、みなさんどうでしたか?

実は、今回の処方は処方医への疑義照会をしなければいけないところが2箇所あります。従ってそれを紹介して、正しい処方内容にしてから調剤報酬点数を計算を行います。2箇所はどこかわかりましたか?では、解説いたします。happy01

  【解説】

    今回の処方せんでは、記載内容において2箇所処方医に確認する所

   店舗あります。処方医への確認する内容2箇所は次の箇所です。

    <確認1>

      胃瘻患者ということで、処方せんに粉砕の指示がないため調剤方

     法の確認が必要となります。

      基本的に、胃瘻患者は自己で服用することは不可能な場合がほ

     とんどであるため粉砕して調剤することはいうまでもないと思います。

     あとは、その分包方法のみに関してで、通常服用時点ごとに、混合

     に伴う配合変化が認められない限り粉砕混合します。

    <確認2>

      胃瘻患者の経鼻チューブの挿入到達点を、医師に確認することも

     今回の処方内容では重要になります。

      確認する目的として、処方中のオメプラール錠の安定性にありま

     す。オメプラールを初めとするプロトンポンプ阻害薬は酸に非常に不

     安定なため、どの製剤においても腸溶コーティングを施されていま

     す。従って、経鼻チューブが腸まで到達しているか否かで粉砕に関し

     て処方内容変更を確認する必要が出てきます。

      経鼻チューブが腸まで到達している場合であれば、オメプラール

     錠を粉砕して投与することは可能であると言えます。しかし、オメプ

     ラル錠は吸湿性が非常に高いため、粉砕時には熱や湿度等に

     細心の注意を払った粉砕手法が必要となり、あまり良い投与方法と

     は言えないと考えられます。しかしながら、医療の現場ではオメプ

     ラル錠を粉砕して投与している事例は結構あるようです。

      また、ラベプラゾールに関しては、オメプラゾールよりも吸湿性が更

     に高いため、固化してしまい不適とされています。

      ランソプラゾールもオメプラゾールと同様の性質を持っていますが、

     吸湿性に関しては一番影響が少ないものといわれています。また、

     剤型もカプセル剤とOD錠といった他の2種とは違い、チューブの径に

     よってはカプセル剤を脱カプセルし、内容物の顆粒剤をそのまま経

     鼻チューブサイズ16フレンチをもちいて、水でゆっくり注入すること

     が能です。また、報告はありませんが、OD錠を少量の水で崩壊

     させ(OD錠は7層からなる0.3mmの腸溶顆粒を打錠したもの)、

     水をいて注入することも出来るかと思います。

      従って、今回は一番無難で確実に投与できる方法であるランソプ

     ラゾールカプセルの脱カプセルが一番最良な方法と考えられます。

  よって、疑義照会後の処方は以下の通りとなります。

   処方

       バイアスピリン錠100mg     1錠

       ミカルディス錠40mg        1錠

       アルダクトンA細粒         0.2g

       レニベース錠5mg         1錠

       アマリール錠1mg       0.5錠

       メバロチン細粒1%       0.5g

       粉砕  1日1回  朝食後   30日分

       ワソラン錠40mg          3錠

       セロケン錠20mg          3錠

       粉砕  1日3回  毎食後   30日分

       タケプロンカプセル15mg    1カプセル

       脱カプセル別包  

            1日1回  夕食後    30日分

       アモバン錠7.5mg         1錠

       ワーファリン錠1mg         1錠

       リスパダール錠2mg        1錠

       粉砕 1日1回  就寝前    30日分

       尚、粉砕は服用時点ごとに混合一包化

                            以上

  では、この処方内容に従って、調剤報酬を計算すると次のようになります。

      調剤基本料                          40点

      後発医薬品調剤体制加算                  4点

      後期高齢者薬剤服用歴管理指導料            35

      嚥下困難者用製剤加算                   80点

      内服調剤料 3剤 30日分      77点×3   =231点

      後発医薬品調剤加算   1剤    2点×1    = 2点

      薬剤料    内服1  30日分   34点×30 =1020点

               内服2  30日分    7点×30 = 210点

               内服3  30日分   11点×30 = 330点

               内服4  35日分   11点×30 = 330点

      合計点数                       = 2,282点

      患者負担金額(負担割合10%)         ¥2,280 円

    となります。

    今回の処方せんでの調剤報酬点数を計算する上では、処方せんの内

   容を再度きちんと確認する必要があることです。特に、今回は胃瘻患者

   における調剤の対応を、どのように行うかによって加算が変わってきま

   す。調剤したとおりの算定が基本であるため、今回は嚥下困難者製剤

   加算を算定した結果、一包化薬は算定できず、一包化薬を算定した場

   合より低くなってしまい手間がかかった割には技術料は低い結果となっ

   てしまいます。この辺は今後見直して欲しい部分ではないかと私個人

   的には思います。

    尚、経管チューブが腸まで達していて、オメプラゾールの粉砕での投

   与をドクターに指示された場合は、調剤報酬額は今回は全く同じ結果に

   なます。

    

以上が、解説となりますが、この内容に関して『異議あり!』『こういう考え方は?』などありましたら、コメントを頂けたらと思います。

では、また次回の問題もトライしてみてくださいwink          

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